誕生!
出産ドキュメント
子宮口全開大
4:50 「全開大やな」 「はい、分娩に準備します」 1時間陣痛につきあってくれた母が退出 このころになるとヒッヒッフーのあとに 便意をもよおすような感覚に襲われていた。 そのたびに自分で肛門をグーで押していた私。 『やった、やっと息める、やっとharuに会える』とうれしくなった。
ベッドが分娩台に
ここでLDR室のすばらしさを実感する。 今まで寝ていたベッドが、ジャ~ンと上に上がって いくつかパーツを外すと、ものの5分で分娩台に変身した。 もちろん、私は寝たままの状態で。 1分おきに来る陣痛、陣痛がきている間の方が長く感じられたころだが このときは、ホ~と感心していた。 何かあったときのために血管確保(点滴) 陣痛の痛みと、針がうまく刺さらない苛立ちがあった。 (私の血管は「逃げる」らしく、ベテランの看護婦さんじゃないとむずかしいのだよ) 導尿もいつのまにかされていた。 浣腸はしなかった。『出たらどうしよ、少し不安。。。』
立会い出産について
パパは「立会いなんて考えられない」と言っていた。 じゃぁ、いいか。と私も特に説得せず。 ある日突然「立ち会うつもり。命がけのお産やし」と言い出した。 だんなが立ち会うことで、育児に協力的になると聞いていたので 私も大賛成だった。 3人で頑張ろうという気持ちは、とっても心強かった。 もうひとつ、私は出産の記録をビデオに残したかった。 パパに、しっかり撮ってもらうこともお願いする。
この日、朝からの陣痛だったので すんなり仕事を休んで、陣痛から出産まで立ち会うことができたのも本当によかった。 電話したが間に合わなかったというのもよくある話だもんね。 パパは、腰をさすったりお茶を飲ませてくれたり、よく頑張っていました。 どたんばで練習した呼吸法もリードしてやってくれた。
いきみ開始
5:05 分娩の準備が完成して「ヒッヒッフーウン」と軽くいきむ。 「上手、上手」とやたらおだてられながら。 『みんなにそう言うのだろうなぁ』と冷静に思ったりする。 私の分娩、ギャラリーがとっても多かったのよ。 DR.2人、助産師3人、それに実習中の看護学生と研修中の女医さん。 私からは、みんながじ~っと出てくるところを見つめている姿が見える。 なんだか急に恥ずかしくなったり。。。
このころの心音は、haruの頭にモニターを貼り付けてとっていた。 心音は、そんなに変動なく頑張っていたように思う。 『haru、がんばれ~』って思いながらいきんだので 自分のしんどさをあまり感じずに頑張れた。
N助産師さん
私の出産をリードしてくれるのは、N助産師さんなんだな、とわかる。 みんなと違う割烹着のようなものを着ていた。 このNさんは、入院中【おとぼけキャラ】で知られていた。 よく、もの忘れをしたり、失敗していたから。 「もぅ~、Nさんたら~」って感じで、よく笑っていた。 だから、このNさんが出産をリードしてくれるのは、なんの緊張感もなく 私としては、とってもリラックスしてできたように思うのだ。 今日のNさんは、ちょっとかっこいいなぁと思った。
本格的にいきむ
5:15 陣痛の波が大きくなってきた。 Nさん「2回深呼吸しようか」 『よ~し、すぐに産むぞ!』 「はい、いきんで!」渾身の力をこめて2回いきむ。 「っく~」と声が出る。 N「上手やわ。もう頭見えてるよ」 陣痛の間は、リラックスして休む。 やっぱり、ギャラリーが多くて恥ずかしい。 波が来た。 2回目のいきみ、なぜかシーという声がでてしまう。 『ん?まだ出てこないの?次の波で、産んでやる!』 3回目、次はできるだけ長く2回いきんだ。 N「だいぶ出てきてる、もう次産まれるかな。」 DR.はharuが出て来て羊水を吸い出す器具を口にくわえてる。 4回目、終わりにしたい。 DR.が心音をとっている機械のスイッチを切った。 『産まれるんだな』(けっこう冷静) でも、ダメ。 5回目、N「そうそう、がんばれ!」と待ち構えている感じ。 DR.「声出さんと!」と強い口調で言われる。 目をあけて口は閉じる、わかっているができないもんだ。。。 6回目、もう一人の若いDR.がいきみと同時にお腹を押す。 それでもだめだった。
誕生!
本格的にいきみだしてから7回目 若いDR.が踏台をもってきて、お腹を押した。 ジョリジョリ、会陰切開(1ヶ所) ズルっと何かが出た感じがあった。 N「はい、もういいよ、短促呼吸」 『やった、終わった!』 ジュルジュル、羊水を吸い出されたharu。 「ウンギャウンギャ」元気にないた。 N「5時23分、おめでと~、男の子よ」 すぐに、お腹の上にのせてくれた。(血まみれ) 私は100%泣くと思っていたが、泣かなかった。 さっきまでの痛みがウソのようで、ほわ~っとした幸せに包まれた。
その後
30秒ほどの対面を終え、haruは計測へ。 私は後産。何の感覚もなく、すぐ終わった。 子宮底を確認するためにお腹を触られたとき、自分でもさわってみた。 パパもさわった。ブヨブヨしてて、笑った。 切開の縫合は15分くらいかかった。(麻酔は生まれる直前に打ったようだ) 研修中の女医さんに説明しながら縫っていた。
haruが戻ってきた。 手で顔をいらっている、エコーの時もそうだったね。 髪の毛が多くて、おでこがとっても広いなっていうのが第一印象。 ファーストキスはパパに奪われてしまった。。。 haruもパパもよくがんばったね。
そして、初乳を与える。 左は血が混じってる乳腺があったので右だけ与える。 haruは、びっくりするほど上手に吸いついた。 だれに教えられたのでもないのに、すごいもんだ。
そのまま、haruと一緒に7時半までゆっくり過ごす。 トイレ(なかなか出なかった)に行って、個室へ歩いて帰る。 両親が、寿司やカツ弁当を用意して待っていてくれた。 パパと2人でがっつく。 長い一日が終わった。 明日からは育児だ。
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